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投稿日:2014年7月11日

会話


イスラエル、パレスチナで
民族間の紛争が激化しているようだ。

そういえば、イスラエルといえばこんなことがあった。

わしが24、5歳の頃の話。
音楽に夢を抱いて東京に上京してすぐ、
昼は八百屋さんでアルバイトをして
夜はJR中野駅北口のアーケードで深夜まで
毎日のように路上ライブをしていた。

そして当時、都内の駅前ではイスラム系の人達が
シルバーなんかのアクセサリーを露店で売るのが流行っていた。

そのアクセサリー売りをしていた人達の中に
ニーナというイスラム人の女の子がいて、
身振り手振りを交えた片言の英語で
一度だけおしゃべりをしたことがあった。

白人系で青い目をしてお人形さんのように美人で
顔を近づけてじっと見つめながら話してくるのでドキドキした。
自分は広島から来たんだとか、ギターを弾いているとか
ニーナはあともう少ししたらイスラエルに帰るんだとか
お互いのことを少し話したていたら、
彼女はわしのズボンを指差して
日本は平和でいい国だと言った。

その頃はカラフルな迷彩柄のTシャツやアーミーパンツが流行っていて、
丈夫で使い勝手もいいので自分もカーキ色のアーミーパンツを履いていた。

ニーナの国ではこれはユニフォームなんだと、
軍人だけが着るものだと
一般の人はそんなのは着たりしない。
でもそれがあなたの国ではファッションなんだね。
と、そんなことを言っていた。

ニーナの言おうとしていることが解ったとき
なんだか胸がキュッとなった。

ニーナはその後しばらくしてから
姿を見なくなった。
国に帰ったとか、違う街に行ったとか
いろいろ噂を聞いた。

イスラエルやその周辺で
動乱やテロなんかの報道を知ると
あの日の思い出す。

ニーナは今幸せにやっているだろうか
幸せでいてほしいな。

そして、この国の平和の歩みは